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コール集
コックス(舵手)の号令を、場面から引けます。意味と、そのとき漕手がやることを添えました。
出艇・着艇、基本操作、練習中、レースの4つの場面に分けて、コールの 意味と、そのとき漕手がやることを引けるようにしました。読み上げ ボタンは、言葉を知るための参考です。実際の伸ばしや抑揚は、先輩 コックスの声から学んでください。
読み上げボタンの音は機械音声です。実際のコールにある伸ばし・抑揚・間は再現できません。正しい言い方は、 チームの先輩やコックスに聞くのが正です。ボタンは「どんな言葉か」を 知るための参考にとどめてください。
コール一覧
31件を表示中(全31件)
手をかけて、持とう、1、2、3
出艇・着艇陸上運搬の始まり。全員で艇に手をかけ、「持とう、1、2、3」の数に合わせて同時に持ち上げる。
英語圏では: Hands on / Up and off the rack, READY? Up(米の例)
※全員が同じタイミングで動かないと艇が傾き、接触の危険が大きくなるとされる。陸上系の文言はチームごとの言い回しが特に多く、ここに挙げたのは一例。
肩、行こう、1、2、3
出艇・着艇持ち上げた艇を肩に載せ替える号令。「差し上げよう」「分かれて肩行こう」「腰へ下ろそう」など、姿勢を変えるたびに同じ形の号令が続く。
英語圏では: To the shoulders, READY? Up(米の例)
川側へ、振り下ろそう、1、2、3
出艇・着艇高く担いだ艇を、指定した側へ振り下ろす号令。どちらへ下ろすか(川側・陸側)を先に言ってから数で合わせる。
英語圏では: Split to sides, READY? Down(米の例)
※振り下ろしは勢いがつきやすく、艇置台に当てる事故が多いとされる。下ろす空間に障害物がないか確かめて、ゆっくり。
降ろそう、1、2、3
出艇・着艇出艇。艇を水面へ降ろす。このあと「乗って」「蹴り出そう、1、2、3」「押し出そう」と続けて岸を離れる形が資料にある。
※出艇・着岸の言い回しは、艇庫や岸の形にも左右される。一例として。
降りる準備して、準備ができたら言って
出艇・着艇着岸。漕手は降りる支度をして、できたことを返事で知らせる。そろったところで「降りて」の号令で艇から降りる。
お疲れ様!
出艇・着艇上陸したとき、練習やレースが終わったときのねぎらいの一言。これも号令のひとつとしてカタログに載っている。
用意
基本操作別の言い方: 「用意して」「かまえて」「レディ」など
漕ぎ出しの構え。シートを前に出し、キャッチ(ブレードを水に入れる位置)で構える。「キャッチの位置に」「ブレードスクウェア」と細かく指定することもある。
英語圏では: Ready? / Sit ready(米の例)
※レースのスタート形式が広まってから、「用意」の代わりに「アテンション」を使うチームも多い。
ロー
基本操作別の言い方: 「ロウ」「ゴー」など
漕ぎ始めの号令。この一声で全員がキャッチからひと漕ぎ目を始める。
言い方の例「よぅい・ロォーゥ」
英語圏では: Row(Ready all, row)
イージーオール
基本操作別の言い方: 「イージー・オール」など
漕ぐのをやめる合図。ブレード(オールの先の平たい部分)をフェザー(水面と平行に寝かせた向き)のまま空中で止め、艇は惰性で走らせる。
言い方の例「イー・ジオォー」
英語圏では: Easy all(英)/ Weigh enough(米)が近い
※英語圏とは「止まる」の段階の切り方そのものが違うため、1対1の対訳ではない。
安全にかかわるコール。最初の乗艇の前に、自チームの言い方を確認する。
イージー
基本操作イージーオールで空中に止めていたブレードを、水面に降ろして休む。イージーオールの次に来る2段目の合図。
ありがとう
基本操作直前に出した指示や動作をやめてもらう合図。「バウペアありがとう」のように、漕手の交代でも使う。
言い方の例「ありが・とォー」
※何をやめる言葉かはチームで違う。漕ぎ全体を止める意味で使うチームもあれば、部分的な指示の解除に限るチームもある。日本のローイングらしい言い方とされる。
ストップ
基本操作別の言い方: 「艇止め」「抵抗」「ブレーキ」「ホールド」「ストップロー」など
惰性で進む艇を止める。ブレードをスクウェア(水面に垂直に立てた向き)にして水中に入れ、水の抵抗でブレーキをかける。
英語圏では: Hold water / Check it down が近い
※呼び名がいちばん割れるコール。止まれるかどうかは安全に直結するので、最初の乗艇の前に自チームの言い方を確認しておく。
安全にかかわるコール。最初の乗艇の前に、自チームの言い方を確認する。
バックロー
基本操作別の言い方: 「バックロウ」など
スクウェアのブレードで通常と逆向きに漕ぎ、艇を後進させる。回頭の操作にも組み合わせて使う。
英語圏では: Back it
※バックロー中にブレードを裏返す操作(裏フェザー)は、波の高い日や小艇では避けるべきとされる。
艇回そう(回頭)
基本操作その場で艇の向きを変える。①「整調サイドに艇回そう」と方向を予告(整調はコックスの正面の漕手)、②「バウサイドバック、ストロークサイドロウ」と両舷の操作を指定、③「さあ行こう」で始める、という3段で出す。
英語圏では: Ports to back, starboards to row(米の例)
※大きく回るときは、内側のサイドをイージーや軽い抵抗のままにする方法もある。
ブレード・ケア!
基本操作ブイや障害物が近づいたときの注意。「バウ、右手ブレード・ケア!」のように漕手とサイドを指定して呼び、言われた漕手は自分のブレードまわりを確かめて接触を避ける。
英語圏では: Watch your blades
安全にかかわるコール。最初の乗艇の前に、自チームの言い方を確認する。
前から艇!/後ろから艇!
基本操作接近してくる他艇を知らせる。前方はコックスやバウの漕手が発し、後方は整調がコックスに伝える。緊急のときは口調を一変させ、早口の大声で出すとされる。
英語圏では: Boat coming! / Boat behind!
安全にかかわるコール。最初の乗艇の前に、自チームの言い方を確認する。
バウ?(点呼)
基本操作出艇前や漕ぎ出し前の点呼。バウ(いちばん船首側の漕手)から順に「バウ?」「2番?」と呼び、漕手は「はいっ」で準備できたことを返す。「準備ができたら言って」と呼びかけ、できた漕手から名乗る方法もある。
英語圏では: Count down from bow
ストロークサイド強く
基本操作別の言い方: 「バウサイド弱く(ノーワーク)」など
サイドを指定して漕ぎの強さを変える。まっすぐ進めるための針路の修正にも使う。
英語圏では: More weight / Dead light(米: Hard on port/starboard)
チャッボ
基本操作別の言い方: 「チャップロウ」「ジャブロウ」など
短く刻んで漕ぐ、いわゆる「チャボリ」の号令。
英語圏では: Touch it(一例)
※呼び名がとくに様々なコールで、資料自身が「色々言われる」と書いている。
さあ行こう
練習中指示と実行のあいだに入る合図。「足蹴り10本いこう」→「さあ行こう」→ 次の一本で実行、と2〜3本かけて出すのが国内の定型。
言い方の例「さぁ・いこォー」
英語圏では: In two, …(「2本後に」と予告する米英の形と同じ発想)
足蹴り10本いこう
練習中メニューの予告。「さあ行こう」を挟んで始め、「1本、2本…ラスト1本…イージーオール」と数えて締める。カウントはフィニッシュで発声するのが基本で、キャッチで数える場合もある。
キャッチ/ロー(リズムの声)
練習中初心者クルーでは、キャッチとフィニッシュの2つの瞬間に声をかけて、全員のタイミングを整えることが多い。合ってきたら、どちらか片方だけにするのが一般的とされる。
※どちらの瞬間に掛けるかはクラブ差が大きい。漕ぎ出しの声に「キャッチ」を使うことへ否定的なクラブもあり、両方のやり方が資料に残っている。
バウペアありがとう、3・4番ペア入って
練習中漕手の交代。休む側と入る側を名指しして、「さあ行こう」で切り替えのタイミングを合わせる。
英語圏では: In two, 3 and 4 drop out, 5 and 6 add in(米の例)
レイト24に上げよう
練習中レイト(レート。1分間に漕ぐ本数)の変更指示。「レイト22…24に上げよう…さあ行こう」のように、必ず2本以上かけて出すとされる。下げるときは「大きく行こう」を添える例がある。
ノーワーク/ライトパドル/パドル/コンスタント
練習中漕ぎの強さを段階の名前で指定する呼び方(一例)。弱い順にノーワーク、ライトワーク、ライトパドル、パドル、コンスタントのように並べる整理がある。
英語圏では: Dead light / Half pressure / Row firm(対応の一例)
※各段階が実際どのくらいの強さかは、クラブ・クルーで定義がかなり違うとされる。合同クルーでは、どう漕ぐかを乗る前にすり合わせる。
前を見て/バランス/脚蹴り!
練習中技術面の注意は短い一言で繰り返す。「手の高さ、注意して」「フォワードゆったり」「ブレード一枚」など、語彙はチームと指導者ごとに違う。
※「尻逃げ注意」のように体の使い方への注意もある(尻逃げを繰り返すと腰痛の原因になるとされる)。「脚蹴り」という言い方を好まない指導者もいる。
リラックス
練習中力みを抜かせる声。かけ声そのものの力を抜いて、ゆっくり優しく言うと伝わりやすいとされる。困ったら「強く」「リズム」「リラックス」の3つ、という新人コックス向けの整理もある。
言い方の例「リラーックス、リラーーッックスウゥー」
アテンション…ゴー
レースレースのスタート。「アテンション」で構え、「ゴー」で漕ぎ出す。この形式が広まってから、練習の漕ぎ出しにも「アテンション」を使うチームが多い。
英語圏では: Attention … Go
脚から/キャッチ鋭く/加速
レースレース中やレイトの高いときの一言コール。長い文は伝わらないので、「前半から立ち上げ」「抜き上げ高く」「スムーズに」のような一言を、早口にならず普段の速さで置いていく。
500m通過/ラスト400/1艇身
レース状況を知らせるコール。距離の通過、残りの距離、経過時間、レイトの読み上げ(「33.5」)、前後の艇との差(「1艇身」)などを短く伝える。
英語圏では: One boat length(1艇身)
パワー10(スパート)
レース決めた本数だけ艇速を最大まで上げる。10〜30本程度で使われ、コンスタント比で1割増しの艇速イメージ、という整理の一例がある。
英語圏では: Power 10
※本数も強さの定義もクラブで違う。
コールは2〜3本かけて出される
国内の資料に共通する定型は「予告 → さあ行こう → 実行」の流れです。 1本目に「足蹴り10本いこう」と内容を伝え、2本目に「さあ行こう」、 3本目から全員で実行します。英語圏にも「In two(2本後に)」と予告して から実行する形があり、発想は同じです。急ぐときは、予告と「さあ行こう」を 1本で言い切ることもあるとされています。
声を出す位置にも、経験者の整理が残っています。漕手の耳に入りやすいのは 水音の少ないドライブ中で、キャッチの後に言い始め、ドライブの中盤から 後半にかけて言い終える、という書き方です。レイト(レート。1分間に漕ぐ 本数)が高いときやレース中は長い文が伝わらないので、「脚から」「加速」の ような一言コールを、早口にならず普段の速さで置いていきます。
何も言わない時間も技術のひとつとされています。静かにすることで、漕手が 艇の音や水音に集中できるからです。指摘のあとには漕手が返事を返し、 よくなったらコックスが「よくなった」と評価を返す。この往復が動作の定着に つながる、と資料は勧めています。