こぎだし

GUIDE

艇と用具の名前を覚える — 艇・オールの各部と艇種の読み方

先輩の指示に出てくる言葉が、最初はほとんど分からない。それが普通のスタート地点です。艇とオールの各部から艇種の読み方まで、現場で出てくる順に覚えられるようにまとめました。

・ 読了目安 6

静かな艇庫の隅。板壁にスカル用のオールが2本立てかけられ、手前の木製ラックにシングルスカルの艇体が1艇横向きに置かれている

まず、この5つだけ

艇庫で最初の一週間によく出てくるのは、次の5つです。 ここだけ覚えれば、先輩の指示のほとんどが聞き取れるようになります。

まずこれだけ
  1. 1オール水をつかんで艇を進める長い棒。1本ずつ「オール」と呼びます。
  2. 2リガーオールを支える、艇の横に張り出した金具。
  3. 3シートレールの上を前後に滑る座席。
  4. 4ストレッチャー靴ごと足を固定する、斜めの台。
  5. 5バウとスターン進む方向の先端がバウ(船首)、漕手が顔を向けている側がスターン(船尾)。

艇の各部を覚える

競技用の艇は「シェル」とも呼ばれます。外から見える部分を、 バウからスターンに向かって順に見ていきます。

シングルスカルを真横から見た図。右がバウで先端にバウボール、中央のコックピットにシートとストレッチャー、その上にリガーとクラッチ、艇底の後方に小さなフィンがある
シングルスカルの全体。右がバウ(進行方向)。
  • バウ — 進行方向の先端。先には白い丸いボール (バウボール)が付いていて、安全のための目印になっています。
  • ガンネル艇のふちにあたる、上側の縁の部分— 艇を持つとき、まず手をかけることが多い場所です。
  • シートとストレッチャー — シートはレールの上を前後に滑り、ストレッチャーには靴が 付いていて足ごと固定します。脚の力を艇に伝える要の部分です。
  • ハッチ艇の内部を点検するための小さなふた— 練習のあとに開けて、艇の中に入った水を抜くことがあります。
  • フィン艇の底の後ろ寄りに付いた、まっすぐ進むための小さなひれ。海外の資料では「スケグ(skeg)」と表記されることもある— 陸上でのせ方を間違えると折れやすい、いちばん壊れやすい部分の ひとつです。
コックピットの拡大図。2つ穴の開いたシートが2本のレールの上に載り、その先に靴が固定されたストレッチャーがある
コックピットの中。シートはレールの上を前後に滑り、靴はストレッチャーに付いている。

オールの各部を覚える

オールにも部位ごとに名前があります。「ブレードを見て」のような指示が そのまま飛んでくるので、先に知っておくと慌てません。

スカル用オール1本の全体図。左端が手で握るグリップ、途中に襟状のカラー、右端が水をつかむスプーン形のブレード
オールの全体。左がグリップ、シャフトの途中にカラー、右がブレード。
  • ブレード水をつかむ、先端の平たい部分— チームの色に塗られていることが多い部分です。
  • シャフトブレードとグリップをつなぐ棒の部分
  • グリップ — 手で握る、いちばん手前の部分。
  • スリーブクラッチに当たる部分を守る、筒状のカバー
  • カラーオールがクラッチから抜けないよう、位置を決める輪の留め具— スリーブの上に付いていて、クラッチに引っかかる部分です。

艇の種類と記号の読み方

漕ぎ方には大きく二つの系統があります。スカル1人が左右1本ずつ、計2本のオールを持つ漕ぎ方と、スイープ1人が1本のオールを両手で持つ漕ぎ方です。艇種は数字と記号の組み合わせで書き、読み方のルールは三つだけです。

  • 数字は、漕手の人数
  • x が付けばスカル、付かなければスイープ
  • +コックスオールを持たず、舵を取ってクルーに指示を出す人が乗る艇、- は乗らない艇

よく見かける艇種は次のとおりです。

  • 1x(シングルスカル)・2x(ダブルスカル)・4x+(かじ付きクォドルプル)… スカル系
  • 2-(ペア)・4+(かじ付きフォア)・8+(エイト)… スイープ系

用具を扱うときの心構え

競技用の艇は、見た目より軽く、壊れやすい道具です。薄い船体は、ぶつけたり支える場所を 間違えたりするだけで傷みます。

  • 艇を持ち上げる・運ぶときは、必ず先輩や指導者の指示に従う (チームごとに手順が決まっています)
  • 指示された場所以外を持たない。リガーやフィンに体重をかけない
  • 置いてあるオールや艇をまたがない、踏まない
  • 迷ったら、手を出す前に「どうすればいいですか」と聞く

聞いても迷惑にはなりません。それが艇を守るいちばん確実な方法です。 扱い方の細部はチームや艇によって異なるため、この記事よりも 現場の指導者・先輩の指示を必ず優先してください。